そもそもなぜ、要介護認定や障害程度区分が必要なのか

 2000年からスタートした介護保険の仕組みには5段階(現行は7段階)の要介護認定が、そして、2006年からスタートした障害者自立支援法には、6段階の障害程度区分(実質は7段階)がある。
 障害者自立支援法は、もともと、2004年の秋に出されたグランドデザインをもとに、仕組みが作られており、当時としては、支援費制度をさらに、介護保険の仕組みに似せ、統合を前提に作られたような感があった。当時のグランドデザインなり、障害者自立支援法での国の説明をそのまま読めば、障害者自立支援法に、障害程度区分が採用されたのは、支援費制度下で、著しく格差のでた地方自治体のサービスについて、全国一律の公平性を確保するために採用したという。
 その仕組み自体は、介護保険と同様、コンピューターによる一次判定と審査会による二次判定という二段階の判定方法になっており、一次判定は、平成18年の要介護認定の79項目による判定に27項目を加えた項目を使用している。
 しかし、そもそも、介護保険制度と障害者自立支援法は、要介護度(要支援度)の意味合いが違う。また、もっといえば、要介護認定にしても、障害程度区分にしても、なぜ、このような要介護・要支援スケールが必要なのだろうか。いまや当たり前のように、利用の前提になっているこれらのスケールは、この10年くらいの間のものでしかない。この小稿ではその背景や意味を整理していきたいとおもう